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県連・支部だより

外国人実生問題学習会

技能実習生の実態に認識深める

  県連 榑松愛労連議長を講師に学習会

 中国や東南アジアからの外国人技能実習生の労働条件をめぐる問題が顕在化しているなか、日中愛知県連は1月27日、榑松(くれまつ)佐一・愛労連議長を講師に迎えて学習会を持ちました。技能実習生について県連としても問題意識を深めようと開いたもので、鳥居達生副会長はじめ役員6人が参加しました。

岐阜アパレル

 全労連東海北陸ブロック議長でもある榑松さんは、ここ数年、岐阜アパレル産業で働くベトナム人技能実習生から寄せられる相談に乗るなど実習生支援活動で豊富な経験を積んでいます。学習会では、近年急増するベトナム実習生をめぐる現状をプリントに用意し、背景や構造的な問題点について板書もしながら話をすすめました。
縫製業では中国人、ベトナム人、力ンボジア人など多くの技能実習生が来日し、生産現場を支えています。ところが、労働基準法違反が後を絶たないのが実情。昨16年に入って、岐阜アパレル産業の実習生から愛労連に持ち込まれる訴えが相次ぎました。

多発する違法

 新しい技能実習制度が10年7月1日に施行されてから、労基法違反は多くの業種で少なくなってきました。なのに、縫製業では旧態依然の実態が。とくに昨年夏以降、岐阜の縫製エ場で働く実習生から労基法違反の告発が増えています。愛労連が15年8月にたち上げたフェイスブックの「外国人実習生支援」のアカウントが相談の窓口です。
 相談内容は労基法違反などの告発が中心です。残業単価400円で働かされているとか、悪質な場合は時給200円、月給も1万円程度しか支給していないケースも。また、月100〜150時間の時間外労働をさせていたり、休日を年に10日しか付与していなかったりする事例もあります。

違法なくす道

 通訳の協力を得て相談内容を整理し、労基署と入管に告発します。必要に応じて団体交渉も行います。たいていはこれで解決しますが、昨年どうしても応じない事件が一件あり裁判所に訴えました。
 ちなみに岐阜アパレルには3000人の実習生がいますが、労働条件はどこも同じようなもの。労働局と入管から何度指導しても変わらない、とのことです。
 縫製工場の経営者と対話すると、人件費は上がっている半面で「10年間工賃が上がっていない」という事情が聞かれます。もっともな話で、工賃を上げるよう声を出していく必要があります。
 違法をなくすためにも実態を伝えなければなりません。昨年国会で経産省に調査を求め、今年3月までに行うと回答がありました。「アパレル特区」など県が責任をもって受け入れる業界支援が必要だとみています。  

『ニッポン最暗黒労働事情 外国人実習生SNS相談室より』

   榑松佐一さんが、実習生支援に関する3冊目の本『ニッポン最暗黒労働事情 外国人実習生SNS相談室より』をこのほど出版しました。
 この出版を記念して、12日午後2時から、労働会館東館ホールで作家の小中陽太郎氏を迎えての講演会がもたれます。参加費1000円(実習生たちの交通費のため)。

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