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中国人強制連行の被害者遺族 札幌・岩田地崎建設と交渉

 9月12日、宋殿挙さん(71)、劉宝辰・河北大学元教授、愛知の6人、地元の弁護士などが、中国人を強制連行強制労働させた地崎組(現岩田地崎建設)本社(札幌市)で交渉しました。

 宋殿挙さんは、1944年中国河北省から日本に強制連行され、45 年1月旧大府飛行場の滑走路拡張工事で27歳の若さで亡くなった宋学海(本名宋振海)さんの弟です。

 宋さんは、兄が日本で苦しんで死んだこと、兄は7人兄弟の長男で連行された後の生活は
大変苦しかったこと、兄の死について会社から今まで一言も説明がないこと、謝罪と賠償を求める、と発言しました。

 この件に最終責任を持つ執行役員の総務部長は、「要求の内容を理解しました。犠牲者に心から哀悼の意を表します。会社は6年前に吸収合併したが地崎の責任は受け継いでいます。ただ一貫して最高裁の判断に従います。要求を検討します」などと回答しました。

 昨年7月に会社に出した5人の被害労働者の提訴書に対して、「裁判所」で「損害賠償の支払義務はない」との判断を受けていること、「今後」「如何なる申し入れに対し」ても「対応」できないとの前回の回答書とはかなり違った対応でした。

 同日の夜に開かれた「戦後補償問題の新たな展開を学ぶ市民集会」では、宋殿挙さん、劉宝辰教授、南守夫さんからお話があり、中国人戦争被害者訴訟弁護団の川上詩朗弁護士の講演がありました。

これに先立ち愛知の5人は、大府に連行された中国人が北海道で強制労働させられた3か所、現北見市留辺蘂町の野村鉱業伊屯武華鉱業所・同置戸町の置戸鉱業所・赤平市の平岸出張所を辿りました。現地でこの問題に取り組んでいる方たちに案内していただきました。
北海道訪問団長 伊藤充久  

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