− 県連・支部だより
追悼のことば
楊洪寛様、李良浜様、王明文様、宋学海様、張玉柱様
昨年の追悼会から早くも一年が過ぎました。この間、私どもはずっと貴方がたのことを忘れたことはありません。飢えと寒さの中での強制労働によって、貴方がたをはじめ多くの人々が傷つき、病魔におかされ、さらに尊い生命を落とされました。
私たちは貴方がたご自身のお苦しみと無念さを推し量り、また、ご遺族の方々の憤りと苦しみと空しさを思っておりました。それは皆さまの苦しみの万分の一にもならないかも知れません。それでも私たちは日本人としての責任と歴史について、絶対に忘れないという心で、みなさまのことを思い続けてきたのです。
いま、私どもは、ただ過去のことを悼むだけではなく、何かをしなければならないとの思いに駆られています。
過去を思い出すだけではなく、青春を、いや、人生そのものを奪われ、さらに、生命をも奪われた方々のために、私たち日本人は何をすればよいのか、深く考えています。これは私どもがめざす日中不再戦・平和のみちのりの大切な一歩です。
私どもは、この強制連行が日本政府の政策として行われたこと、多くの企業が強制連行を要求したという歴史的事実をはっきりと知っています。この先端に立って愛知の地で貴方がたを強制労働させたのは地崎組(現 岩田地崎建設)であります。
この一年、私どもは、この強制連行・強制労働に直接関係ある企業に対してその社会的・道義的責任を問う行動によって、ささやかながらもみなさまの無念にこたえてゆく所存で、その準備を進めてきました。ここ数日のうちに行動を開始する予定です。この準備の過程でも困難が予想されています。たとえ、この道が平坦ではなくとも、正義の声は高まっています。何よりも、私どもの背後には皆さまがいます。
安らかにおやすみくださいと言うべきでしょう。しかし、どうか、私どもの活動を遠くから見守っていていただきたいのです。心ある日本人がどのように人間としての責任を果たそうとしているか、日中不再戦の誓いをどのように守ろうとしているか、私どもの心をお受け取りください。いつの日かのご報告をお待ちください。
2012年9月15日
大府飛行場中国人強制連行問題
愛知対策委員会
代表委員 石川 賢作