− 県連・支部だより
就職活動経験交流座談会(下)
就活で鍛えられ
――就職活動はどうでしたか。日本の企業と話して感じたことなども…
雄 5社受けたけど、実力があれば上に上がれると感じました。中国の企業では実力だけではまずダメですから。中国の友人もぼやいているけど、超一流大学を出ていないと将来に希望が持てない状況なんです。
盧 就職活動を通じて自分は強くなったし、反省点も分かったと思っています。自己評価で90点だと確信していたのが60点だったりしたけれど、人の意見に耳を傾けることが大切だと考えました。
沙 リクナビに会員登録をして、会社の説明会や見学会に参加したりする中で希望の会社が見つかりました。いまは、希望と少々離れた仕事をしていて、しかも予想以上にハードルが高い仕事で、毎日が挑戦です。それでも自ら選んだ道なので、あきらめず精いっぱい頑張っています。
明 就職したいまの時点での新たな問題なんですが、社長から「秘書になってくれないか」と打診があり、いろいろ悩みました。公私の線引きがいまいちだし、身分保障という点で不透明さがあるようなので、お断りしましたが。そのことが先になって支障にならないか、という不安もあったりして…。
雄 合同説明会も、行きは面倒くさいけど、帰りは勉強になったなと思ったものです。
京 中国企業の説明は大雑把で、簡単。いい人材を採ろうという観点があるのか、ないのかと思ってしまいます。
雄 そうそう、「うちはこういう企業です。興味のある人は来てください」と、こんな感じですね。
京 私は彦根から列車で合同説明会や面接に出かけたので、交通費はかかったけど車窓から田園の風景が楽しめてとってもよかった。
面接も予習して
――これから日本で働こうとする人たちに助言したいことは。
明 履歴書、ES(エントリーシート)=企業の説明会や面接を受ける前に提出する、自己PRや出身校などを記入するシート=についてですが、質問内容をきちんと理解して、自分が何を伝えたいかを端的に書くこと。面接では、むやみに緊張せず、余裕をもって相手の質問の意図を考えることです。そして、笑顔で対応して、分からないことは率直に分からないと伝えることです。
盧 「やりたいことより、できることを」と言いたいですね。遠回りしてでもイメージにつながればいいし、まずは食べていくことが大事なので。営業畑なら、顧客の言うことを聞くことが肝要で、聞き取って本音を知ることです。雄さんは技術系が合っているのではと思います。京さんは相手と目線を合わせて話すからいい。
京 面接では、「いつまで日本にいますか」「結婚相手はいますか。相手が日本人だったら、日本人になりますか」と聞かれましたよ。すべて溝口さんのアドバイスで学習していたので、即答することができましたけど。
沙 私はいま、敬語がうまく使えなくて困っています。入社するまでに余裕があれば、敬語の勉強をしっかりしておいた方がよいでしょう。
いまはいろんなことを勉強したい! 私の夢は、近い将来、自分の会社を持つこと。もちろん、日中の両国で仕事をしていく会社です。
明 私もグローバルな仕事ができるよう、キャリアアップしていきたいと考えています。
――長時間にわたって貴重な経験を語り合っていただき、ありがとうございました。昨今、中国やベトナムからの研修生の過酷な労働環境・条件が問題になっていますが、企業が人を雇うのは良い人材を得るためであることを肝に銘じ、後につづく人たちにもしっかり伝えてもらいたいと思います。暑い中をたいへんご苦労さまでした。
(おわり)