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県連・支部だより

就職活動経験交流座談会(上)

中国人留学生・新社員が語り合う

現役時代に20年ほど、会社で人を採用する側に身を置いてきた経験から、私はこの間、個々にですが中国人留学生のみなさんの就職相談に乗ってきました。アドバイスが面接などで役に立った、と喜ばれてもいます。このような相談は今後もふえていくと思われますし、日中友好協会愛知県連としても“身近な草の根の交流”としていっそう力を注ぎたいと考えています。そこで、この間のみなさんの就活の経験を座談会という形で交流してみよう、と暑い中をお集まりいただきました。(司会者あいさつ)

座談会出席者

王 雄民(おう ゆうみん) 
 名古屋学院大院生 就活中
樊 思迪(はん してき)
 愛知学泉大交換留学生
王 京徽(おう きょうき) 
 滋賀県立大院生 就職内定
盧 書傑(ろ しょけつ) 
 銀行員
《紙上参加》
王 明明(おう みんみん) 
 横浜で就職
沙 鑫(さ きん)  
  名古屋で就職

司会 溝口 郷史・日中愛知   県連副理事長
 

 ――まず、みなさんが日本に来ることになった動機ですね、そこらあたりから話に入ってもらいましょうか。なお、王姓の方が3人なので、紙上での王さんの区別は姓名の名の方の1字で代えさせてもらいます。

アニメで興味が

 盧 大学を卒業するとき、とりあえず外国に出たかった。アメリカ、カナダと迷ったのですが、アメリカは銃社会で怖い。すぐ近くの日本なら親に何かあったとき帰りやすいので、日本を選んだわけです。

 京 彦根から来ました。2010年に来日し、いまは滋賀県立大の大学院修士課程の2年生で、名古屋の企業から来春の内定をもらっています。アニメから日本に興味を持ち、中3で日本語の勉強を始め、北京第二外国語大学では英語学部に入りましたが、日本語学部の研修生にもなって勉強しました。

 樊 私は交換留学生なのでまだ就職には直面していませんが、先輩のみなさんの経験を聞いて学ぼうと思って参加しました。私の大学(北京第二外国語大学)の2年生の必須である日本語検定4級に受かったばかりです。

 雄 中国の大学で来日のチャンスがありまして、4年前に来ました。名古屋学院大の大学院で国際経済を研究中です。

 明 私は3年前に日本に参りました。最初の1年間は交換留学で、2年目から同じ大学で編入生になりました。大学を卒業する前に東京で就職活動をし、内定をいただいて、いま横浜のそのメーカーで働いています。

 沙 山東省煙台の出身で、南山大大学院の修士課程を修了して3月から名古屋のメーカーで働いています。先進国の中で日本が最も中国に近く、文化も近いので、日本を留学先に選びました。
 
 ――どんなことから日本で働こうと考えたのですか。

日本の社会人に

 樊 北京二外では2年生で交換留学の制度があるので、それを利用して愛知学泉大に来たのです。日本語は二外の日本語学部に入ってから始めました。

 京 私はやはりアニメがきっかけですね。大学院に入るとき、先生に「何で?」と聞かれて、環境・社会に関心があったので。アニメから視野を広げ、社会学もという気持ちから、日本の社会人になろうと思ったのです。

沙 母の勧めで高卒後すぐ来日し、大学も日本でしたので、就職も当然日本でと考えて迷いはありませんでした。

 雄 修士課程を終えたら帰国しようかとか、いろいろ迷っているんですよ。いずれにせよ自分を成長させたいのです。

 盧 日本で働こうと決断して2005年に来日し、東京でいくつか仕事をして、去年、幸いにも中国銀行に就職できて名古屋に来ました。

 明 中国では現在、学歴が重視されていますし、日本で就職するのが簡単ではないので、日本の中国人留学生の多くは大学院まで進みます。成功したいなら、みんなが行く道には行かない方がよいかもしれません。私は自分の性格とか、いままで経験したことを色々と考えた結果、就職を決めました。 

 ――どんな分野、あるいは職種に就こうと思いましたか。また、希望の会社は見つかりましたか。

 雄 営業の分野と決めていたので証券会社を受けたのですが、落ちました。後で分かったのですが、証券会社は中国人を採らないです。でも大学院で学んできたことは多様性があり、先で生きてくると思います。

中国と関わりを

 盧 証券も金融のうちですが、確かに外国人は難しいです。私は最初から金融機関を希望して、東京ではすぐにはそんな働き口は見つかりませんでしたが、仕事をしながら情報を集めていました。いまその希望と一致するとは言えないけど、つながりはあるわけです。

 京 中国と関わりがある仕事をしたい、なのでメーカーをめざす、という姿勢で就活に臨んできました。内定を受けた名古屋の会社については、外国人、女性でも不利ではない、と判断しました。あと、ビザの対応で反応を確かめたい。

 明 いま働いている会社は中小企業ですが、中国、韓国、ベトナム、ロシアなどの国々と取引があるので、すごくやりがいがあるのですが、外国人にとって会社の雰囲気と仕事の内容など慣れるまで時間がかかると思います。

沙 日本のモノづくりの精神を自分で体験し勉強したくてメーカーにしぼりました。と同時に、「日中の架け橋の存在に」という思いもあって、仕事も中国と関わりのあることが前提でした。

 樊 留学を終えて中国に帰ってからの問題になりますが、お話を聞いていて、仕事の分野とか、希望を、大まかにでも決めておくことが大事だなと思いました。

 それと、京さん、沙さんが言われた「中国と関わりがある仕事」ということもポイントだと…。逆に、中国で働くなら「日本と関わりがある仕事」となりますが。

 明 自分が興味を持つ業界にチャレンジすることをお勧めします。面接は事前に何回も練習しておくこと。そうすれば落ち着いてその場に臨むことができますから。  
      (つづく)

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