− 県連・支部だより
愛知の中国人強制連行の事実とこれから
冨田理事長 宗教者平和の会総会で講演
2月12日に 愛知宗教者平和の会総会が、名駅前の真宗大谷派西祐寺で開かれ、第2部で「愛知における中国人強制連行問題の実態と課題」と題して冨田好弘県連理事長が記念講演を行いました。
同会は、県内の仏教者、キリスト教牧師、天理教など宗教者で憲法9条を守り核戦争阻止など平和を求めて活動している団体。「あいち平和のための戦争展」で宗教者の立場から「宗教と戦争」を中心に展示し、独自にも東別院で「差別と戦争」問題など展示会を行っています。
冨田理事長は、中国人強制連行の起源と概要、旧「満州国」成立後1934年から45年までに華北地区から790万人、東北地区から850万人を「満州国」各地へ合計1640万人もの強制連行、1000万人規模で犠牲者がでていること、自らの東北旅行で確認したダム建設、鉱山、要塞などでの残酷な強制労働の実態を記録や証言を交えて報告。
一方、植民地下にあった朝鮮人の連行は、「内地法」と「徴兵制」適用によって、中国人とはケタ違いの規模でした。
日本には、1942年の「華人労務者内地移入に関する件」という東条内閣時の閣議決定で38935人を強制連行し、港湾、鉱山、建設現場で非人道的、残酷な労働と生活で6830人が死亡、さらに多くの負傷者、罹病者が出たことを「外務省報告」や証言などで明らかにしました。
また、愛知でのとりくみがなぜ遅れたのかなどを解明して、2007年から調査、学習を始め09年に第1回慰霊祭を開催した。中国の研究者の協力を得て調査団を派遣し大きな成果を上げ「調査報告書」にまとめたことなど紹介。昨年は第2回追悼式典に生存者と家族を招待し150人余の参加者でさらに運動を発展させたことを報告、生存者の証言や現地での証言を紹介しました。
今後の課題として第3回追悼式典を9月17日に予定し、「不再戦日中友好祈念碑」(仮称)の建立などへの協力を訴えました。
感想として「玄猷寺さんのご理解と姿勢は大いに評価できますね、祈念碑でも協力を」「差別と侵略、今日的な問題と気づかされました」「加害の実態の一つとして、この愛知であったこと、もっと知られなけねば」などの声が出されました。
昨年第2回追悼式典に参加した生存者と家族
<2011.2.25>