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【10.12.15】漫画展 - 石子さん講演80人余が耳傾ける

手塚治虫漫画の特性など熱っぽく

   日中友好協会60周年記念の県連企画・漫画展ハイライトの特別講演は、11月27日(土)午後1時半から東別院会館2階の中ホールで開かれ、定刻前から若い女性も交えて次々とつめかけた80人余の参加者で満席に。漫画展のパネルに解説を書いた日中友好協会副会長の漫画評論家、石子順さんが「戦後漫画と引き揚げ漫画家たち」のテーマで講演しました。

 司会の桜井久美子・県連常任理事が講師のプロフィールを紹介。ついで、旧制中学生の17歳のとき大連から引き揚げてきた石川賢作・県連会長が立ち、「きょうは新しい文化面のお話がたくさん聞けます。引き揚げ少年たちの記憶をたどりながら楽しいひとときをお過ごしください」とあいさつしました。

 大きな拍手に迎えられ、「戦後50年たって、1995年に引き揚げ漫画家たちが体験を話し始めた」と切り出した石子さんは、「戦後漫画とは手塚治虫漫画の登場で始まった」と、まず演題について概説。53年に中国から帰国して間もなく手塚治虫漫画と出合ったときの衝撃を語り、後に「マンガ荘」とも呼ばれたトキワ荘とそこに集った無名時代の赤塚不二夫さんら漫画家たちとの交友を織り交ぜながら話をすすめました。

 畏友の手塚治虫さんが亡くなったとき骨拾いもしたという逸話を披露。そして、手塚治虫さんがストーリー漫画の手法を確立して日本の漫画の地位を高めたことをのべ、「“子どもたちに夢を与える”ことと“平和・自由と民主主義”が彼の膨大な作品を貫く基本姿勢だった」と手塚漫画の特質を強調しました。

 1時間半余にわたった熱っぽい“戦後漫画論”はときに笑いを呼び、参加者もメモをとるなど熱心に耳を傾けていました。講演の後、会場で石子さんの著書『日本の侵略 中国の抵抗――漫画に見る日中戦争時代』(大月書店)などのサインセールが行われ、用意された本は瞬く間に売り切れ、サインの順番を待つ人で列ができるほどでした。

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