− 県連・支部だより
【10.12.15】漫画展「中国からの引き揚げー少年たちの記憶」開く
漫画展「中国からの引き揚げー少年たちの記憶」開く
日中友好協会創立60周年記念全国企画の漫画展「中国からの引き揚げ―少年たちの記憶」が、11月23日から28日まで、名古屋市中区の東別院ギャラリーで開かれました。
協会愛知県連が一連の記念行事のしめくくりとして主催したもので、初日の23日には午前10時から駐名古屋中国総領事館の王軍領事、画家の塩沢哲弥氏と引き揚げ少年だった石川賢作・県連会長がテープカット。6日間で七百数十人が訪れ、鑑賞しました。
1995年、漫画家の森田拳次、ちばてつやさんらが呼びかけ、日中友好協会副会長の漫画評論家・石子順さんが協力して結成した「中国引き揚げ漫画家の会」が編集し、2002年に開かれた漫画展と同名の画集の原画と解説文からパネルにした54点が展示されました。
「丸出だめ夫」の森田拳次さんや映画「釣りバカ日誌」で知られる北見けんいちさん、「天才バカボン」の故・赤塚不二夫さん、「あしたのジョー」のちばてつやさんら、まだ子どもだった12人の引き揚げ漫画家が当時の記憶をたぐって中国での生活や引き揚げ時の模様を描いた作品たち。漫画展は新聞・テレビでも報道され、それを見て知ったという来場者も少なくなく、アンケートも180人から寄せられました。
連日、参加者は一枚一枚の絵を熱心に鑑賞して解説文を読み、「この人も中国からの引き揚げだったのか」とか、「当時の母たちの苦労があらためて分かった」などの声が聞かれました。絵を前にしばし涙ぐむ女性や、二度、三度と見て回り、「名古屋城空襲のときすぐ近くだった家が焼かれたが、これらの絵を見て少年時代を思い出し、会場を去りがたい気持ちだ」と語る男性もいました。
同展開催中の27日午後1時半からは、会場2階のホールで石子順さんの特別講演「戦後漫画と引き揚げ漫画家たち」(別項)が開かれ、会場いっぱいの80人余が参加して漫画展を盛り上げました。