− 県連・支部だより
【10.11.25】日中関係のこれまでとこれからを学ぶ
日中関係のこれまでとこれからを学ぶ 協会創立60周年記念シンポジウムに参加して
愛知から参加した4人はJRお茶ノ水駅で下りたが、会場が見当たらない。道行く人に尋ねたところ、私も行くから一緒に行きましょうと言ってくれた。この人は6人のパネリストのひとり、石島紀之さん(フェリス女学院大学名誉教授)だった。
10月9日、東京で開かれた日中友好協会創立60周年記念のシンポジウムは、「日中関係の未来を展望する」をテーマに石島さん・山田朗明治大教授・劉傑早稲田大教授・大西広京大教授・羽場久美子青山学院大教授・毛里和子早稲田大名誉教授が報告に立った。
石島さんは「日中戦争の研究から」と題して報告。日中戦争が国民の記憶としてある中国と、かなりの人が自衛戦争だったと思っている事実・史実を知らない若い人の増加・声高なネオナショナリストの策動がある日本とのギャップに触れ、07年に行われた「南京事件70周年国際シンポジウム」や日中戦争の国際共同研究・戦後補償裁判の取り組み・市民レベルの日中交流などが、歴史和解の重要な試みとして取り組まれてきたと指摘した。
山田さんは日本近代史研究に立って日中の近代をあと付け、戦場の実相が伝承されない日本の状況(「戦友会」の縛りなど)の克服が課題だと報告。羽場さんはEUの教訓に学び、南京・広島・パールハーバーでの日米中の「共同の慰霊」や日中共同の経済発展がアジアの和解のカギになるとし、東アジア共同体の実現の可能性を指摘した。
他の報告もたいへん刺激的だった。ロビーでサインセールしていた石島さんが共同執筆した「重慶爆撃とは何だったのか」(高文研)を購入。一読、大きな衝撃を受けた。
伊藤 充久