− 県連・支部だより
貴州の少数民族のいろいろ(2)
貴州の少数民族(2) ミャオ族 県連副理事長 西脇隆夫
古代中国では揚子江から中国南部にいたる華中・華南平原にさまざまな民族が居住していたらしい。今日の漢民族の祖先たちが黄河流域から南下するとともに、これら原住民は西南の山地に追いやられ、インドシナ半島、東南アジアにまで移動した。
その代表的な民族集団がミャオ(苗)族であり、今では湖北、湖南、広東、広西、四川、貴州,雲南の各地に居住している。その人口は中国全体では七百万人を越しているが,西南中国の山地に分散して居住し、ずっと村落を単位とした部族社会を営んでいた。
ミャオ族は歴代の王朝の支配に激しく抵抗し、特に貴州のミャオ族は清代にはしばしば反乱を起こして残酷な弾圧を受けてしまうが、その戦いのようすは多くの民謡と伝説の中で伝えられている。
毎年旧暦の五月に清水江のほとりではへさきに竜の頭飾りをつけたボート(竜船)によるレースが行われる。この行事は江南地方や長崎のペーロンともよく似ている。かれらは竜をまつり,その民話にもしばしば竜が登場している。
ミャオ族にはまた農作物の収穫がすんだ旧暦の十月に牛を殺して祖先を祭り肉を共食する儀式が村をあげて行われる宗教行事がある。これは七年または十三年に一度,十四日間もわたる盛大な催しである。これらの行事からも水稲耕作民であるかれらの風習がうかがわれる。
ミャオ族の女性が婚礼とか祭日などで身につける首飾りなど銀製の装飾品も有名で,その写真がよく画報や雑誌にも紹介されている。