− 県連・支部だより
【07.10.10】貴州の少数民族のについていろいろ
貴州の少数民族(1) プイ族 愛知県連副理事長 西脇隆夫
西南中国に住むタイ系の諸民族には、生活文化や習慣などの面で日本人とよく似ている点が少なくない。たとえば、魚を生で食べることとかもち米をウスでついて餅をつくることなどは漢民族には見られない食習慣である。
かれらはモンスーンの影響で高温多湿な広西、雲南、貴州、湖南の山間河谷平地に住み、古くから稲作に営んできた人々である。
プイ族は、タイ族、チワン族、トン族、スイ族などと同じくタイ系諸民族に属し,主に貴州省の南部に二五〇万人余りが住んでいる。かれらの話すことばはチワン語北部方言に近く、広西のチワン族と言語や文化の面で共通する点が多い。
貴州省の年間降雨量は一〇〇〇ミリから一五〇〇ミリ、年間の降雨日数は一六〇日以上になり、中国で最も晴天の少ない省とされる。また、山と山の間に谷や小盆地が点在して平地が少なく、「天に三日の晴れ間なく、地に三里の平地なし」と言われてきた。このように自然条件の厳しい貴州では、「山の上はイ族、中腹にはミャオ族、低地にはプイ族」が住みと言われ、プイ族は川の両岸に水田を作って稲を栽培している。ふだんはうるち米を食べているが、祭日や休日にはもち米を食べる。蒸したもち米を木のウスに入れて、二人で木のキネによってつく。つき上がった餅を平たい円形にして、中にアズキアンやゴマアンを入れたりする。
また、プイ族の工芸品としては、伝統的な技術を生かしたロウケツ染めの布がある。これは蜜蝋を使って布に幾何学的ならせん模様を描き藍で染めたものである。