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中国の旅

中国の少数民族を訪ねて  (4)柳田 常樹

高山病に苦しみながらチベット高原を旅する

   私は青海省の玉樹というところに出かけた。そこを選んだ理由はチベット族しか住んでいないという、ただそれだけだった。
 青海省はチベット自治区に隣接し、日本の1.9倍の広さを有し、省全体がチベット文化圏に属している。そして、玉樹は省都西寧から約8百㎞も離れていて、他の都市からも遠く一つだけぽつんと存在していた。
 私は寝台バスで昼過ぎに西寧を出発し、途中青海湖を経由し、18時間もかかって、翌朝に到着した。そこには13世紀に創建されたジョグ寺というチベット寺院があり、街はその寺を中心に形成されている。
 標高がとても高く、3700mと富士山とほぼ同じのため、高山病になるのではと不安を感じさせたが、案の定到着したその日から頭痛が始まった。その後も街の周辺やお寺の見学をするものの、痛みが一層ひどくなり、三日目の朝にホテルの女性に窮状を訴えた。すると彼女は私に、中国語で書いた「私は高山病で酸素が必要です」というメモを持たせ、病院も指定してタクシーに乗せた。
 そこで点滴と酸素吸入の治療を受けて元気になるが、夕方ホテルに戻ると再び激しい頭痛に悩まされ、その上呼吸困難も加わる。「ここから一刻も早く抜け出したい!」「1000mも高いバイェンハリ峠を越えて無事に帰れるだろうか?」など精神的不安も重なり、その晩は一睡も出来なかった。
 翌日、帰りのバスに乗る。私は寝台に横たわり、絶えず襲ってくる頭痛に耐えながら、外を眺めたいという気持ちが湧く。どこまでも広がる草原、真綿のような雲が浮かぶ。テントが見える。羊の群れがあちこちに放牧されている。チベット人の生活は街ではなく高原にあるのだと実感させてくれる光景だ。
 やがてバスはゆっくりと下りに転じた。「ようやく峠を越えた!」と実感し、ホッとした。

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