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蛇女の悲恋物語―「白蛇」

  蛇にまつわる話として、中国で最も有名なのは「白蛇伝」でしょう。この物語は明代の短編小説「白夫人がとこしえに雷峰塔に鎮められたこと」(邦訳は「中国古典文学大系」第二五巻所収)で次のように語られています。

 南宋の初め、杭州の生薬屋の番頭である許宣が、清明節(陽暦四月五日ごろ)に西湖の畔で白夫人とその女中の青青と出会い、白夫人と婚約する。夫人から結婚費用として金を渡されるが、それは役所の倉から盗まれたものと訴えられ、許宣は蘇州に流される。

半年後に白夫人は青青と訪れ、許宣と夫婦になる。終南山の道士が許宣の妖気を見とがめるが、逆に白夫人に懲らしめられる。その後、持っていた扇子が盗品のため、許宣は再び鎮江に流されるが、生薬屋を開き、白夫人の助けで店は繁盛する。

許宣が金山寺に参詣に行くと、僧の法海は許宣の妖気に気がつく。白夫人と青青は法海に一喝されて水中に姿を消し、許宣は二人が妖怪だと告げられる。やがて恩赦で杭州の姉夫婦の元に帰ると、そこに白夫人たちが許宣を待ちかまえている。許宣は法海に与えられた鉢で白夫人を伏せ、法海は白夫人と青青を埋めて雷峰塔を建てる。

 この物語では、白夫人はまだ妖怪として恐れられていますが、その後は京劇など各地の芝居、語り物、民謡、昔話によって民衆のあいだに広まっていくうちに、頼りない夫を助ける健気な女性として描かれるようになります。

 一方、昔話では金山寺の高僧の法海は、人命に危害を与えたとして玉帝に咎められ蟹の甲羅にもぐりこんだと語られるようになりました。魯迅の「雷峰塔の倒壊について」というエッセイでこの伝承を紹介していて注目されます。

  名古屋学院大学教授       西 脇 隆 夫
 

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