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ふるさとのお正月
私は、山東省の煙台市の出身です。春節ごろの気温はマイナス7度ぐらいで、いつも雪が降っています。
中国の春節と言えば、多くの方は水餃子や爆竹などをイメージすると思います。
中国各地で春節の過ごし方は多少違いますが、家族が集まって大晦日の夜「春節晩会」(注:日本の紅白歌合戦みたいな番組)を見ることが全国共通です。
日本に来てから、もう8年ほど中国の春節を過ごしていません。しかし、今でも小さいころの春節の記憶をよく思い出したりします。とても癒されます。
小さいころに、春節は祖父の家で過ごす慣例でした。父は兄弟4人もいて十数人分の餃子を作るのに、何百個も作らないといけません。子どもたちは出来上がった餃子の前で声を上げながら数える姿が家の女達が笑いながら餃子を作っている姿と相まって何ともいえない幸せな光景が最も印象的です。餃子を作っている間に、男たちはお墓参りをし、祖先を家まで連れ立って帰ります。陰陽に関係なく、春節は家族で集まって過ごすという発想はとても素敵だと思います。他にもたくさんありますが、春節の楽しいことを説明しきれません。
最近の中国では、春節でも家族が集まることなく、友だちと過ごすことが増えつつありますが、私は昔の中国の春節が好きです。昔に戻ってもう一回その時の幸せを味わいたいなぁ。
沙 鑫 (サ シン)南山大院修了
私の故郷は中国の安徽省です。中国のお正月といえば、南方と北方の違いはいうまでもなく、各省で違う場合があります。
お正月のころは、一年中で一番寒いときです。0度以下で時々雪が降ります。1月1日にみんなは新しい服を着て新年を迎えます。
ダウンジャケットや綿入れの上着は、冬のこの時期によく着ます。
面白いのは子どもたちは早く新しい服を着たいので、大みそかの晩ご飯の時に着ることもあります。
お正月は旧暦の12月30日から来年の1月15日までです。12月30日は大晦日で、一番大切な日なので、その前の一週間に、この日の準備をします。お正月に野菜を買うの難しいので、予めたくさん野菜と肉を用意しておかなければなりません。中国式ソーセージやベーコン、肉団子も作るし、茶の葉、八角、醤油などを調味料として煮た卵も作ります。食べ物の用意のほかに、29日にめでたい言葉を書いてある春聯を門や入り口に貼ります。30日になると、まず墓参りになります。ならわしによると、女性、特に結婚している女性は墓参りに行けなくて、家でご馳走を作ります。
墓参りから帰って、大晦日の食事を始めます。食事をする前に、爆竹を鳴らす習慣があります。早くて午後1時ごろ食事を始める家もあるけど、普通は3時か4時になっています。父親の家族がみんな集まって、一緒に食べたり飲んだりして楽しめます。子どもは親の許しをもらって、もち米で作られたお酒も少し飲めます。食事をした後は、遊ぶ時間になります。テレビで春節の交歓会を見たり、集まって爆竹を鳴らして、12時になると花火を打ち上げて新年を迎えます。
旧暦の正月1日から、人びとは新年の挨拶を交わします。お土産を持って目上の人の家に年賀に行ったり、お客さんが家に来たりします。この時、子どもはお年玉がもらえるので一番楽しいです。15日は元宵節で、お正月の最後の日になります。この日によく食べるのは、「元宵」というもち米の粉で作ったあん入り団子です。家族全員集まるという意味を含めています。
黄 薇 (コウ ビ)名大留学生