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中国の旅

長春だより  吉林省・長春大学 日本語学科教員  家田修

黄葉と白菜   家田 修

 「北方春城」長春はもう深い秋である。白樺と唐松の黄葉はすっかり落ちて、どこもかしこも垂れ柳の黄色が風に揺れている。
 
 その街のあちこちに白菜が干されている。白菜といっても日本の白菜と少し違う。太くて少々縦に長いものだ。おばさんが抱えているのを見たが、両手に一つずつ抱えるのが精一杯、そんな大きな白菜だ。白菜の頭の部分は巻いているところを削ぎ落とし、虫がいれば払い落し、白いお尻を太陽にむけて並べるのである。夜も取り入れることもなく、そのまま何日も干してある。家の前の歩道や公園の周りの石の上、団地の中、部屋のベランダなどに、むっちりと白くかわいらしい白菜のお尻がきれいに並んでいるのである。
 
 干されているものにネギもある。太くて長い白ネギが緑の部分を付けたまま、外の皮を剝かれたり剥かれなかったり様々だが、やっぱりきれいに並べられている。白菜の頭の上に白根がずどんと逞しく横に並んでいる姿はなんとも不思議である。
 
 干されているものはまだある。それは割干しに近い太めの切干大根だ。これも日本と違い、中が赤い大根と、外が緑の大根である。それが15センチほどの不揃いの切干しに、時には輪切りの赤い煎餅のような切干になったりしている。
 
 ここ旧満州(中国では偽満国)の長春は今、冬支度の真っ盛りである。

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