不再戦平和の活動

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大府・追悼式典

60人が参列、運動の展望を学ぶ

 三菱重工大府飛行場殉難者の第8回追悼式典が9月10日、東海市の曹洞宗瑞雲山玄猷(げんにゅう)寺で営まれ、地元の人たちや県立大・樋口ゼミの学生らを交え60人が参列しました。「愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会」の主催。
 快晴に恵まれ、秋の気配を伝える微風が頬を撫でる本堂。「支援する会」の伊藤充久代表委員(日中県連事務局長)が追悼供養式、追悼式典を通して司会を務めました。
 追悼供養式では、ご詠歌講の女性10人が打ち振る持鈴(じれい)の音がちりんちりんと響き三宝御和讃、平和祈念御和讃などが流れるなか、導師の玄猷寺住職・星野道雄師が読経。それに合わせ、石川勇吉代表委員(僧侶、「革新・愛知の会」代表世話人)を筆頭に、同じく石川賢作代表委員(日中県連会長)、来賓の趙紅霞・中国駐名古屋総領事館領事、つづいて参列者が次つぎ焼香しました。

劉宝辰氏が伝言と来賓あいさつ

   追悼式典に移り、主催者を代表して石川勇吉氏は「昨年10月、札幌に加害企業の岩田地崎建設を訪ねて2回目の本社交渉を行ったが、進展はなかった。他方、三菱マテリアルが被害者に謝罪した6月1日の和解成立は注目に値する出来事だ。来年7月の『悪魔の飽食』合唱コンサートの成功を通じて運動を発展させたい」と述べました。
 来賓あいさつで、趙紅霞領事は「殉難した5人の同胞に心から深い哀悼の意を表します。みなさんはこの間、日本政府と岩田地崎建設にたいして大きく働きかけてこられました」と「支援する会」、日中県連の取り組みに謝意を表明。「この中で中日関係がいっそう発展してゆくことを希望します」と語り、新しく着任した秘書の安建勲領事アタッシェが出席していることを紹介しました。
 来賓の本村伸子・日本共産党衆院議員は「皆さまの日ごろのご奮闘に敬意と、犠牲になられた中国人労働者の方々に心からの哀悼の意を表します」と、深くこうべを垂れました。また、高橋信・名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会共同代表は「暴走する安倍首相の歴史認識を許すなら、私たち国民に責任が及ぶ」と指摘し、朝鮮人、中国人強制連行の事実を直視して問題の解決をめざす草の根の運動の重要性を熱っぽく語りました。
 河北大学の劉宝辰教授からの追悼の辞を、石川賢作氏がみずから翻訳した日本文で代読。劉教授の追悼文は長文なので別途紹介します。ここには追悼文に添えられた「死の苦難に遭った中国人労務者のみなさんへ」という詩は次の通りです。

『死の苦難に遭った中国人労務者のみなさんへ』

今、世界はネットでつながっている。
あなた方ともつながっているにちがいない。

この世に生きている私たちと、
あの世に逝かれたあなた方もまた
(見えない)ネットでつながっている。

ここにいる私たちは、そこにいるあなた方と
つながっているのです。

互いに飲み明かしましょう。
思いのたけを語り合いながら。

春夏秋冬、四季はめぐる。
春も、夏も、秋も、冬も、
あなた方に花を捧げます。

どこにいたって、私たちは
あなた方に詩を捧げます。

どうか、安らかに。
安らかにお眠りください。

 河北大学教授 劉宝辰(山田花尾里 訳)
       2016年9月2日

解決阻んだ条件

 「中国人強制連行事件解決にむけての到達点と展望」と題して、大谷猛夫・中国人強制連行事件解決をめざす全国連絡会(全国連)事務局長が講演。1942年の閣議決定(華人労働者移入に関する件)から始まった中国人強制連行の流れをたどり、南京大虐殺、731部隊の生体実験などとの違いや、日本政府と加害企業が証拠隠ぺいに終始する中で、中国の内戦、「文化大革命」で被害者が訴え出られなかった歴史的条件を解明しました。
 裁判闘争でも、「除斥」「国家無答責」が立ちはだかり、被害者敗訴がつづきます。その後、政府・企業側は日中国交正常化での「請求権放棄論」を持ち出し、最高裁で“門前払い”が定着。同時に、2007年4月の最高裁判決で「当事者による解決を求める」付言がつき、市民運動の発展の中で西松建設が09年に被害者と和解。歴史的責任を認め、謝罪と1人約70万円を支払うという成果を勝ち取りました。
 大谷氏は、今後はドイツの「記憶・責任・未来」にならい、日本政府と企業の真摯な謝罪と補償を求めて企業要請や地域の歴史発掘など日本の市民への訴えを強めていこうと提起。「三菱マテリアル和解という有利な条件を生かし、運動を広げていくうえで愛知の大府飛行場中国人強制連行被害者を支援するこの取り組みが全国のたたかいを推進する役目を担っている」と強調し、同感の拍手がつづきました。

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