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名古屋市長選

真の対抗軸は何か

 われわれ日中友好と平和を願い活動しているものにとって、今回の名古屋市長選挙は特別の意味をもつ。

 国政を含め、地方の政党あるいは瑣末グループまでの離合集散は激しいが、新聞報道では、河村たかし現市長と自民市議の藤沢忠將氏の関係を「河村氏と自民 対立が鮮明に」(3月6日付「中日」)と描いている。

しかし、藤沢氏が「反河村」を唱えても、現実には二人は基本的に二人三脚で活動してきた。一例を挙げれば、有名な河村市長の「南京大虐殺はなかった」論で、二人は意気投合して活動してきた。

 よく知られているように、昨年2月20日、中国共産党南京市委員会の幹部に対して、河村市長は「南京大虐殺はなかった」論を語り、以降、友好都市である名古屋市と南京市の交流は断絶し、その影響はさまざまに広がった。もちろん、わが日中友好協会愛知県連合会はただちに河村市長に抗議した。

 この件でも、藤沢氏は2月上旬に、南京事件についての議論をしようという河村市長の親書を持参して南京市人民政府を訪問している。さらに、河村市長の「南京事件否定発言」のあとも、5月19日には「公開討論会」なるものをひらいて、自らパネリストとして参加し、南京事件否定論を繰り広げた。ここには、「新しい教科書を作る会」の元副会長、藤岡信勝もパネリストとして参加し、右翼的勢力の結集の場となった。

 選挙に関して言えば、河村市長の「南京大虐殺」否定論を知っている人がいても、藤沢氏がこの点で河村市長と全く一心同体であることは余り知られていない。総選挙以来のわが国の右翼化は激しい。その先は明確に憲法9条の廃絶をめざしている。

 歴史を否定し憲法9条破壊につながるかどうかという国政レベルの問題が今回の市長選挙に含まれている。

 これに対して、いま一人の立候補者、柴田たみお氏はその公約の中で、「憲法を守り、国際友好と平和なまちづくりを進めます」とし、1.世界とアジアの人たちとの友好を広げます。
(1)日本軍「慰安婦」問題の早期解決を国に求めます。
(2)アジアならびに南京との友好都市関係を深め推進します、と約束し、この約束は、2、非核・平和行政の充実、以下、平和憲法に沿った政策につながっている。

 こうして、「真の対抗軸」は、河村対藤沢の間にあるのではなく、河村・藤沢対柴田の間にあることが明確になる。

 私は「南京大虐殺」問題の切り口からも、憲法を守ろうとする柴田たみおさんを応援したい。
日中友好協会顧問  同愛知県連合会会長    石川 賢作
 

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