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「戦争展」ピースステージ 南元愛教大教授が講演

戦後世代の戦争責任とは

「平和のための戦争展2012」のピースステージプログラムの中で、恒例の日中友好協会愛知県連が主催する講演会は、8月14日、元愛知教育大教授の南守夫さんが「河村市長の南京虐殺否定発言問題とその背景――加害の歴史と向き合うことの意味について」と題して話しました。

 開会に先立って石川賢作県連会長があいさつし、「河村市長の大虐殺否定発言に対し、7割が賛成し、反対は3割に満たない。私たちはいっそう真実を学び広めて、この割合を運動によって逆転させねばならない」と述べました。

「大虐殺」の定義
 南さんの講演は、まず「大虐殺」の定義からすすめられました。「大」とは「数」で、何万以上が大虐殺だということはない、30万を認めないのなら20万なら、10万なら、あるいは1万ならいいのか。数にこだわって本質的な問題を見ないのは許されない、と。

証拠資料の大切さ
 次いで、証拠資料の大切さです。南さんは「戦後間もない東京裁判では、被害者証言、目撃者証言が使われたのだが、最近では戦闘詳報、陣中日記があらわれ、捕虜の集団殺戮などの事実が鮮明になった」と指摘。

 この流れの中で、 「偕行社」(旧陸軍の親睦団体)の雑誌『偕行』(1985年3月号)の加登川幸太郎氏の文章「中国国民に深く詫びる」なども資料として紹介しました。

河村発言の内容は

 河村市長は「通常の戦闘行為は別として」というふうに言うが、その計画には無差別爆撃や毒ガスを散布し、皆殺しにすることも含まれており、実際には実行されなかったとはいえ、恐ろしいことだ。

講演の結びで訴え

 南さんは、戦後世代の戦争責任について語り、「(1)罪はないことを明確にし、(2)同時に
先輩が犯した加害としっかり向き合い被害の痛みを心に刻まねばならない(3)2度と戦争を繰り返さないという責任を、アイデンティティとしてとして持つこと」と指摘。「このことこそ、真の誇りになって東アジアの平和な国際関係をつくる礎となる」と強調しました。
 

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