− 県連・支部だより
日本と中国 どっちが好き!? ずっと仲良しで平和であってほしい
私が5歳で来日して以来、何百回と聞かれてきた質問ですが、未だに答えに困ってしまいます。まるでパパとママのどちらか一方を選べと言われたかのように。私には母国が2つあるのです。
私は日本で幼稚園から大学まで日本の子供たちと同じように過ごし、名前を言わなければ、誰もが私を日本人だと思ってしまうほど日本に馴染みました。そして私のことを本当の孫や子供のように可愛がってくれる、日本の家族や大切な友人がたくさんできました。
それと同時に中国人の両親や親戚の元で育ったので、中国に行った時は自分の経歴を言わなければ、皆、私を中国で育った中国人だと思います。もちろん大切な家族や友人もたくさんいます。
その影響か、中国の良くないところを言われた時も日本の良くないところを言われた時も、すごく悔しい気持ちになってしまい、気が付いたらいつもそれぞれを弁明してしまっています。まるで、自分の大好きな家族や友人をなにか言われた時のように。また、両国の仲が悪くなるような事件が起こると、すごく悲しくなります。まるで大好きな家族や友人同士が喧嘩しているのを目の当たりにしたかのように。
そんな私が、アナウンサーを目指していた就職活動時に本気で悩み、未だに答えを出せずにいることがあります。もし自分が担当する番組で日中関係の問題を取り扱うことになった時、自分はどっちの立場から、どんな表情で、どう伝えればいいのかと。
たとえば何かの所有権争いが起こった時は、私は「仲よく半分っこすればいいのに…」と思っていました。それが私の本音です。もちろん、そこに様々な問題があり一筋縄ではいかないことも、そんな発言をするわけにはいかないことも、よく分かっています。しかし、私にとってパパとママのような存在の両国には、ずっと仲良しで平和であってほしいと純粋に素朴に、どうしてもそう思ってしまうのです。だから答えが出ないのです。
それでも、この先も両国が仲よく共存していく方法を考えていきたい、繋げていきたい! 心からそう願っています。
LONG
青海湖のじゅうたんのような花畑