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[中国・武漢テレビ] “最も親近感ある取材だった” 日中間の「分かり合える」を確認

 武漢テレビの来日取材班は濃密な取材を終え、帰国しました。その一週間後、「予定を繰り上げ、5月に連続4回で日本を報道する番組の編集が始まった」との連絡が来ました。東日本大地震が起きた後、いろいろな意味で、日本は中国人のもっとも関心を持つ国となりました。
(フリーライター 欧陽蔚怡)

 日本の現状に対し恐怖のイメージしか持っていない海外に、被災状況だけではなく、被災地以外の日本の様子や、普段通りに暮らす日本人の姿、日本の自然と社会のありのままを伝えることは、今の日本にとって有益なことではないでしょうか。日本を知ってもらうという視点から言えば、武漢テレビ取材の企画が成功したことは大きな意味を持ちます。

 記者たちは18日間休みなしに、愛知を中心に名古屋、犬山、豊田など5つの市町を走り回り、京都まで足を伸ばしました。毎日平均12時間を超えるハードなスケジュールで、数十カ所を訪ね、インタビューした人数は約160名、40時間のビデオテープに収録しました。帰国前日の夕方まで彼らは取材を続けていました。
 

真実に迫る

 今回の来日は3回目の日本での取材で、「感受日本」の著者であり、日本で暮らす一中国人から見た日本の、ドキュメンタリーシリーズを作る目的でした。取材対象は著者の周りの日本の人々です。

 テーマは教育、住まい、交通、環境、高齢者、中国人留学生、日中交流の各分野で、今時の中国民衆が最も関心を持つ問題に絞られました。テーマごとにそれぞれの状況や立場の違う人々のインタビューを通して、真実を立体的に見つめようとする姿勢が見られました。

 中国の地方テレビ局では、特別な理由がない限り、海外の取材には滞在費用が支給されません。日本人の素顔を伝える番組を自分たちの力で完成させようという、彼らの思いは私も同じでした。  

大勢が賛同

 日本人の力を借りてこの取材を成功させれば、中国の人々に日本人の温かい友好の心がより強く伝わるのではないかと考えた私は、周りの日本人に協力をお願いすることにしました。

 取材に必要な宿泊場所、食事、移動手段、資料の翻訳、インタビューの通訳などは、賛同してくれた友人知人、各種団体・法人などのご協力により解決しました。
準備段階から取材が終わるまでに数十名のボランティアが関わり、関西や愛知県の100名を超える方々が資金を寄せてくださいました。毎日変わる運転手や通訳を始め、多くの協力者の姿がカメラに収められました。

相互の理解

記者は第三者の立場で取材するのが普通ですが、今回の取材では、彼らが始終日本人との交流を経験したため、「これまでにない広い範囲と深さで日本人に接し、普通の日本を知ることができ、最も親近感のある取材でした」と、記者たちは述べていました。このドキュメンタリーは、相互の理解を望んでいる普通の中国人と日本人の思いの結晶とも言えるでしょう。

 この企画の当初から、日中友好協会愛知県連の皆さんは、相談相手になってくださいました。取材先の紹介や、日中友好新聞での協力者の呼びかけや寄付金の募集もしていただきました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

 今回の経験から、「分かりあえるか中国人と日本人」という問いに対し、「分かりあえる」ことを確認しました。相手を離れて見るのではなく、分かりあいたいという気持ちで、近い距離から見たり、接したりする機会が増えれば、自然に分かりあえるようになると思いました。

<2011.5.5>

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