− 県連・支部だより
【11.01.05】2011 新春鼎談
「日中不再戦・平和」の協会の真価が問われるとき 旗高く文化活動を旺盛に力つくし躍進の年へ
会員、読者の支えあっての到達点「仲間づくり」へ更に手を携えて
◆鼎談参加者◆
日中友好協会愛知県連
会 長 石川 賢作
副会長 鳥居 達生
副会長 森谷 光夫
石川 2011年という新しい年を迎え、日中友好協会愛知県連の会員、読者のみなさんに新年のごあいさつを申し上げます。
鳥居、森谷 新年おめでとうございます。
石川 年頭にあたって、常日ごろ県連の活動に直接、間接に協力・共同をいただいているみなさんにこの場をお借りして心からの感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。みなさんの支えなくしては、全国的にも注目されるような今日の県連の到達点は考えられません。同時に、2万人の協会を建設する「仲間づくり」の課題でも先頭に立って頑張りたいということです。
年末に日本政府が「新防衛大綱」を閣議決定しましたが、これは明らかに中国を意識した軍拡路線であって、日中間の軍事的緊張が高まることを十分に意識して運動をすすめることがきわめて重要です。「日中不再戦・平和」のわが協会の真価が問われる年となります。この課題でもみなさんのいっそう大きなお力添えをお願いします。
鳥居 全国で2万人の協会といえば愛知では1千人ですが、この目標が実現できた暁には、日中に限らず国際友好運動、また民主的な大衆運動の分野でほんとうに大きな力量を持つことになりますね。
森谷 多くの課題がある中で、何をやるにしても小さな組織では限度があるというジレンマがあって…。私は民医連(全日本民主医療機関連合会)傘下の病院の医師として、医療の日中交流という問題意識を持っているのですが、それにはやはりより大きな組織
と多くの働き手が必要です よ。
石川 ここに到達しても なお最高時(1960年代 前半)の半分ですから、私たちの目標は決して過大なものではないんですね。志を高く、そして着実に前進を切り開いていきましょう!
大府・強制連行問題で貴重な成果 60周年記念の講演会と漫画展でも
石川 この1年を振り返って、大府飛行場中国人強制連行問題愛知対策委員会の中心的な担い手として県連が現地委員会とともに大府問題にとりくんだことと、その大きな成果をまず挙げたいですね。これが年初から秋にかけての主な活動でした。いま一つは、協会創立60周年記念の諸行事の成功です。県連は全国的にも大きく貢献したといっても過言ではないでしょう。
鳥居 大府問題は昨年、大きく解明がすすみましたね。私は〈日中って、すごいことやるなあ〉と改めて感心したのですが、3月に中国人強制連行問題訪中調査団を派遣して生存者の聞き取り調査を行い、この結果をまとめて『愛知における中国人強制連行・強制労働−生存者と遺族を中国に訪ねて』と題する報告書も刊行しました。
9月には、強制労働の生生存者2人と家族あわせて4人を招待して、強制労働の現場だったところを案内し、犠牲者の追悼式に参加してもらいました。
現地スタッフの献身的な働きが大きいのですが、私たちの応対に接して、生存者の1人が「昔奴隷として連れてこられ、いま賓客として迎えられた」と語り、感無量の面持ちだったのが印象的でした。
森谷 協会60周年記念企画では、とくに尖閣諸島問題が突発した中でも秋には畑田重夫先生の講演会&県連史のパネル展示、ついで漫画展とそれぞれ成功させて、日中の存在をいままで私たちの手の届かなかったところをふくめて広くアピールできた点でも収穫でしたね。
2人の幹部の急逝に思う
石川 そうした運動の前進の中で、師走に入って県連の2人の幹部――常任理事の内田卓治さんと副会長の大橋満男さん――を相次いで失うつらい別れもありました。内田さんは、中国の解放戦争に3000人を超す日本人が後方衛生部隊員として活躍した貴重な歴史の証言者でした。
大橋さんは、県連の前史の名古屋支部時代から40年もの長きにわたって事務局長を務め、そのうち32年間は中国の「文化大革命」の混乱で交流が断たれるなど最も困難な時代でした。しかし、彼は歯を食いしばって県連の旗を守り抜き、「大橋といえば日中、日中といえば大橋」といわれるほど、多くの人に愛された。これは県連の歩みの中の重要な1ページです。彼についてはまた話すとか書く機会もあるでしょうから、一言だけにしておきます。
日中文化教室の諸活動を活性化し近現代史の学習つよめ韓国旅行も
石川 ことしは文化活動を活発に展開したいですね。これまでも各支部で中国語講座や太極拳、中国旅行、きりえなど地道なとりくみがすすんでいますが、新年はとくに、日中文化教室(県連事務所の3階)の諸活動の再建・充実が緊要な課題になってきています。ここを、文化面でも友好・交流の面でも幅広い人びとが気軽に出入りできる集いの場、いわばたまり場ですね、そういう方向に発展させたいのです。
その中で、やはり学習活動が大事です。私たちの学習は中国に偏っているけれど、朝鮮・韓国を踏み台にして中国侵略をしたという近現代史の学習が肝要です。NHKで「坂の上の雲」が放映されている状況もふまえて、広い視野で少し系統的に勉強していきましょう。旅行委員会でも韓国旅行を企画に取り上げようという話が出ているようですが、具体化を期待しています。
鳥居 私は「仲間づくり」で、日中友好新聞の読者と会員を楽しく増やしていきたいのですが、県連の青年委員会のひとりとして留学生など中国人とつきあう機会も多く持ちたいという思いをつよめています。多くの日本の若者が歴史を学び、「日中不再戦・平和」の運動に参加してほしいんですよ。その中で人間的なきずなを深め、生きいきと成長できるようにですね…。
身近な中国人との絆つよめ
石川 鳥居さんたちのほねおりで、昨年はこの文化教室で中国人留学生との交流会を2回持ちましたが、参加した留学生らからもいろいろ要望や希望が出されていますから、この面でもおおいに力を入れていかないとね。
さらに、これは15日(土)の県連の「新春のつどい」にも反映されるでしょうが、ここ名古屋、愛知で学び、働いている中国人との日常的な友好・協力のきずなを強めていくことですね。事務所に「日本語を学びたい」という中国人が数人つづけて訪ねてきているので、その対応も求められています。
森谷 中国語教室や映画鑑賞、餃子パーティーなど様ざまな企画を通して中国人、とくに若い層との交流を日常的につよめ、“草の根”の日中交流での存在感を高めていきたいですね。そうした中で総領事館との関係ももっと深まってくるんじゃないでしょうか。個人的には、先ほども言いましたが医療関係の情報を集め、医療の交流を少しずつでもすすめたいな、と…。
ところで、この20日から知事選が始まりますが、私の同級生(名大医学部)で民医連の仲間、また日中緑支部の会員でもある土井敏彦君が「革新県政の会」から立候補します。彼は学生時代から心やさしい、世の不正を許せないという青年でしたが、そのスピリットのまま現在もあるような人間です。愛知県民が安心して暮らせるよう、彼には期待しています。
石川 県連も「革新県政の会」の構成団体なので、土井さんに「新春のつどい」であいさつをいただきたいと八木さんから要請もしています。あれこれ話はつきませんが、このへんでピリオドを打ちますか…。
お互い健康に留意しながら、会員、読者のみなさんとともに県連の実りある1年となるよう、知恵をしぼり、力をつくしましょう。