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☆中国地方にみる「GDP」の姿☆

新しい ブロック

 中国のGDP(国内総生産)は2010年に日本のGDPを追い越し、世界第二位になると言われています。日本から言えば、ますます中国の影が巨大にみえ、我を忘れるところもあるようです。

 私は2008年9月から1年間、中国の中都市のさまざまな経済の実像をみ、その経済の実情の一端を、ここに紹介します。江蘇省の蘇北といわれる徐州市内の邳州(ピーチョウ)市や宿迁(スーチェン)市など、また、山東省の西南にある临沂(リンイー)市、そして河南省
の西南にある南陽市などの近郊にある開発地区を見聞したのです。

 こうした開発区には8から14階建てのアパートが、15棟から25棟ぐらい 建設されているのです。そうした隣接地にはバ スターミナルがあり、また、鉄道とも連絡しています。これだけで言えば、立派な都市計画の一部だと思われます。

  だが、まずアパートですが、大半のアパートには人影もなく、夜になっても窓 には光がないのです。そして、バスターミナル には乗客があまり乗っていないバスや空のバス がターミナルに集まっています。さらに、鉄道の 駅舎にある待合室が、500席から1000席もあろうかという、立派な待合室が建てられているのです。

 とくに、鉄道の駅には1日のうち、普通列車が夜の11時頃に一席停車するとのことでした。その駅前広場に、当初、25店舗ほどの店があったのですが、私が見たときには、大半が閉めてあり、わずか1店舗しかなかったのです。その店員に聞けば、全然商売にならないので、毎日3時頃には店を閉めるとのことでした。

 つまり、上述の経済活動はGDPのかさ上げをしているのではないか。私には何か「ハリボテ」のように感じ、出世のため、GDPを押し上げているのが、地方政府の役人と同時に、現在のGDPの成長至上主義ではないかと感じました。

        
                                 中京大学:塚本隆敏

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