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県連・支部だより

声 明 (下)

 これらの事実、特に愛知県における中国人の強制連行・強制労働の実態について、長い間、愛知県の人々にも知らされていませんでした。近年になって地元の大府市や東海市の有志の人々や日中友好協会愛知県連合会を中心として実態の調査が進み、河北大学の劉宝辰教授の協力を得て、生存者や遺族への聞き取り調査も行われました(調査結果の詳細は関係資料と共に『調査報告書 愛知における中国人強制連行・強制労働』(2010年)参照)。さらに2009年以来地元の市民や玄猷寺住職らの尽力で毎年追悼式が営まれ、2010年には生存者2名とその家族も追悼式に招かれました。これらの活動の過程で大府飛行場中国人強制連行問題愛知対策委員会が結成されました。

5氏が「提訴書」を

 こうした取り組みの中で、生存者5人による岩田地崎建設に対する謝罪と補償を求める署名捺印を付した正式の文書が劉宝辰教授を介して今年7月に愛知対策委員会に託されました(別紙「提訴書」参照)。
 愛知対策委員会は、496人の強制連行被害者を代表する5人の生存者(内1名は北海道訴訟の原告の一人、楊東元氏)の要求を真摯に受け止め、近く岩田地崎建設に被害者の要求文書を持参し、補償交渉を申し入れることを決定しました。これは第一に中国人被害者の人間としての正当な要求の実現に協力するためです。しかし同時に、戦争中の不法行為の補償実現は日中両国の友好関係に貢献し、さらに日本の社会にも貢献する行為であると確信しています

19%もの死亡率に

 戦時中に日本に強制連行された中国人捕虜及び市民の総数は38935人で、死者は6830人に達します(内、地崎組11営業所の合計は1741人、死亡330人、死亡率19%)(『外務省報告書』)。多くの補償要求及び訴訟が行われてきましたが、被害者のほとんどは現在に至るまで一切の補償を受けていません。
しかし、2000年に秋田県花岡での強制労働及び虐殺事件の被害者と鹿島建設の間で和解及び補償が成立し、2007年には西松建設訴訟での最高裁判決において、被害者救済のための関係者の努力を求める「付言」が出されたのを受けて、2009年に西松建設との和解が成立し、補償金支払い等のための基金が設置されました。
 そして、2011年から三菱鉱業(現三菱マテリアル)と被害者の間で和解交渉が進行中です。地崎組の後継企業はその三菱マテリアル等と共に北海道訴訟で訴えられ(1999年〜2008年)、札幌高裁では不法行為を認定されましたが、時効及び日中共同声明等を理由に被害者側は敗訴しました。
 この訴訟で日本における法律上の責任は免れたとしても、不法行為の被害者に対する道義的責任が消えるわけではありません。

道義的な責任が

 そして、地崎組の不法行為の基本的性格は西松建設の場合と変わりないことは明かです。また地崎組は中国人強制連行・強制労働の主唱者でもありました。地崎組の歴史を引き継いだ岩田地崎建設は、この負の歴史にも責任を持ち、被害者救済のための道義的責任を果たさなければなりません。また、そのことは国内外において企業としての社会的信頼を得る道でもあります。 私たち愛知対策委員会はここに、愛知県に関わる中国人強制連行・強制労働の被害者の要求実現に微力を尽くすことを表明し、愛知県や北海道をはじめとした多くの市民の皆さんの支持と協力を呼びかけます。

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