− 県連・支部だより
続 鳥肌が立って
先回、私の部屋に、何か得体の知れないものを感じて、部屋を飛び出したことを書きました。
いったい、あれは何だったのか。手書きの報告テーマは稻子恒夫先生の著書に関することでした。いまの会員の方には稻子先生のことはあまり知られていませんが、昨年8月に亡くなるまで長く県連の顧問で、ソ連・ロシア・社会主義法の大家で名大法学部長もされた方です。県連の近くの猫が洞通のマンションに住み、奥様がご病気で長く入院され、ご自身も半身不随の中で県連には、介護の方に付き添われて往復2時間の中でいろんなお話をしに来られました。年末に「偲ぶ会」が行われ、私も参加しました。
「鳥肌」の話に戻れば、私が今やっている仕事の中で、60〜70年代の中国について調べねば、と思っていたところに、その時期の「中国の法と政治」について書かれた本に関する私の書評の紙切れが出てきたのです。私は書評については覚えていますが、そのレジュメが残っているとは、しかも、それがいつも目にしているところにあった…。そんなはずはないのです。40年近く、私の目に触れることがなかったものが、そこにある。今、私は稻子さんからの強いメッセージを感じています。いつも先回りして、私が勉強するように仕向けてくださった方でした。
(石川賢作)